2009年7月から2012年4月までの三年間に渡り、大阪万博跡地「日本庭園」の茶室「汎庵」にて、茶事の勉強会を開催させていただきました。
40年前に開催された大阪万博のVIPのおもてなしのために造られた素晴らしい茶室が、ほとんど使われることなく眠っていました。時を経て、日本庭園も風情ある庭園に育ち、四季折々に自然の豊かさと、日本の庭園作りの文化の豊かさを私たちに与えてくれるようになりました。
21世紀がはじまる2000年に、大阪が大好きな私は、この茶室をお借りして「時」をテーマに茶会を開催させていただきました。おもてなしの点心やお菓子も心をこめて手づくり。少人数でゆったりと時の流れを感じていただく趣向の茶会が、この茶室の運営管理をされている会社のスタッフの心に響いたようです。
またまた、時を経て、2008年、谷町の峯風庵を閉じるときに、峯風庵でライフワークとして取り組んでいた茶事の勉強会がこのままなくなるのは惜しい、是非、汎庵で続けてくださいとの、ありがたいお申し出があり、スタッフの方々と一緒に、茶室の活性化という意味もこめて、ひとりでも多くの方に茶事の魅力をお伝えできるようにと、汎庵茶事講座を開催させいただくことになりました。
お茶といえば、流派や社中のしばりがあるものですが、公共的な会場ということもあって、流派も問わず、茶暦も問わず、全国から(海外からも)多数の方にご参加いただき、毎回、私も新たな気持ちで茶事と向き合うことが出来ました。ご参加の皆様もそれぞれに、茶事の魅力に出会っていただけたことと思います。
何より、このような素晴らしい環境の茶室で、茶道のメッセージを皆さまにお伝えできる場を作っていただきました、運営会社、そしてスタッフの皆さまに心より感謝申し上げます。
汎庵茶事講座は、スタッフの方々にバトンタッチさせていただきました。
これからも、日本庭園の茶室に茶道を目指す人が集い、豊かな和文化が息づくことを、願ってやみません。
汎庵茶事講座の思い出の数々は、私のブログ「茶道・茶事・茶人の世界」に一部ですがレポートをさせていただいております。茶道、茶事がお好きな方には、お楽しみいただけるかと存知ます。是非、ご覧くださいませ。
ブログ 「茶道・茶事・茶人の世界」汎庵茶事講座